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今日は、事前に早上がりのシフト希望を申請していた。応募していた映画『REBEL MOON』のジャパンプレミアに当選するかもしれないと期待をこめて。(当選発表は、たしか12/4だったとおもう。緊張する仕事があった日で、終わってからふとメールをみたら当選の連絡がきていたので驚いた。とても嬉しかったけど、12/9には企画でも携わった「BOOK LOVER'S HOLIDAY with K-BOOKフェスティバル」の出店もあるし、楽しい予定がたくさんあったので、更に楽しみな気持ちをまともに抱えたら心がもたないだろうとあまり考えないようにしていた。長)

 

無事にBOOK LOVER'S HOLIDAYも終了し、ようやくペ・ドゥナに会えることの嬉しさに浸りながら、会場に向かった。途中、レッドカーペットでサインをもらう際のバインダーを用意していないことに気づく。MCU作品にハマった頃、よくバインダーを持ってイベントに行っていたはずなのに、すっかり忘れていた。会場近くのコンビニで、バインダーの代わりになりそうなものを見た結果、大学ノートと油性ペンをゲット。

 

会場に着くと、REBEL MOONの世界観に装飾された部屋で驚き。受付のスタッフの方は、登場人物と同じケープをつけてフードをかぶっていて、とてもこまやかな演出。なんと、立食形式で食事まで用意されていた。これまで様々な映画イベントに行ったけれど、一般応募で食事まであるイベントはみたことがない。

 

さらに部屋を進むと、レッドカーペットがあって、そのまわりには映画に関連した等身大(?)の人形や小道具のようなものたち、スクリーンなど。ここでちょっと面白かったのが、受付開始からイベントスタートまでは一時間あって、それまでの時間は食事を楽しんだり、コンテンツでぜひ遊んでくださいというアナウンスが流れていた。でも、レッドカーペットにはすでに自分の陣地をとっている人たちもいる。私も食事を買うタイミングをすっかり失念して会場に着いていたので、本当は食べたかったしトイレも行きたかったけれど、何より近くでペ・ドゥナに会いたかったので誘惑を払ってレッドカーペットに並ぶことにした。わたしが並んだ場所は、壁が分厚く、厚い部分に稲がたくさん生えている、ちょっと面白い部分だった。それから登場する入り口にかなり近かったのはかなりラッキーだったとおもう。

 

一時間半ほど、ただそこで立ちながらじっと待った。眠くて目をつむったり、ひたすらぼーっとしながら。たまにペットボトルのお茶を飲んで、ドキドキして。それでも時間が近づいてくると、急に実感が湧き、「ファンです」って韓国語で何て言うのだろう?とネットで調べる。「팬입니다」ハングルは読めないが、「ペニインニダ」と言うらしい。頭で何度も繰り返し、忘れないようにした。それからペ・ドゥナは、韓国語でも同じ読みであることも確認。

 

レッドカーペットには、日本語吹き替えを担当した声優の神谷浩史さんも登壇されていた。昔、デュラララというアニメをみていたので、折原の声に感動。

 

そうして、次は誰が出るかな?とドキドキしていると、ついにペ・ドゥナが出てきた。登場したペ・ドゥナは、ドラマや映画からそのまま出てきた姿をしていて、現実なのに、現実ではないようだった。その非現実さにくらっときて、一気に緊張して体が震える。

 

こちらの列にサインをしにきてくれて、流れに沿ってサインをもらう。まだ夢の中。ペ・ドゥナ〜!ペニインニダ!と声に出した。写真をお願いして、スルーされる。そうだよね、難しいよね、と向こう側に歩いていった姿を眺めていると、誰かが「ペ・ドゥナssi」と声をかけていた。そこで気づく。そうだ、韓国語は名前を呼ぶ際に「ssi」をつけるのが礼儀だったじゃないか。韓国ドラマで散々みてきたのでは?自分の無知に落ち込む。韓国ドラマが好きになって、初めて俳優に会うことができて、相手の国の文化や礼儀を理解せず、そして伝えたい言葉を知らないことが一気に現実のものとして自分に押し寄せた。ペニインニダ、も発音が怪しく伝わったかもわからない。

 

わりと自由に動けるレッドカーペットだったので、監督のザック・スナイダーが登場して目の前を歩いた後は、先を歩いているペ・ドゥナを見にいった。遠いけれど、コンタクトをした肉眼で横顔がみえる。鼻の先がつん、と三角に高くなっていて、ボブの毛先が丸く小さな顔を包んでいる。背がとても高い。かっこいい。

 

今年、ペ・ドゥナが出た作品を観たことを次々に思い出す。『秘密の森』の刑事、ハン・ヨジン。シモクとご飯を食べるところ、やさしく笑うところ、犯人に怒るところ、捕まらなくて悔しいところ。『明日の少女』で笑わない刑事だったこと、『子猫をおねがい』でまだあどけないけど意思の強い少女だったこと。そのすべての役に惹かれ、かっこよさに憧れた気持ちが一気に同じ場所にいるペ・ドゥナへの視線に繋がって、本当にわたしの目はハートのような、全身から憧れが溢れていたと思う。

 

ふと、登壇者を映すモニター画面をみていて、場所を変えてまたファンサービスをしているのが見えた。もしかして、、と急いで私もその場所にまわると、なんとちょうど隅っこで、前を遮るものがない場所でペ・ドゥナの様子をみることができた。そして、なんとこちらに歩いてきてくれた。今度こそ、と「ペ・ドゥナssi!」と声に出す。そして、思わず日本語で「だいすきです」と伝えた。伝えたいことが、日本語で出てきてしまった。すると、「!ありがとうございます」と返事が返ってきた。そうか、ペ・ドゥナは日本の映画に出たことがあるのだった。自分に伝えられる限りのことを伝えようと、長時間素敵な衣装でみんなにファンサービスしてくださっていることに対し、「ファイティン!」と伝えた。すると、笑いながら「ファイティン!」と返してくれて、泣きそうになる。あまりに私が話したい様子を理解してくれたのか、「映画みましたか?」と聞いてくれて、韓国語はわからないな、せめて英語を、と思ったけど出てこず、「これからです」と返すと、一瞬頭のなかで言葉を理解する時間をかけるような表情をしてくれたあと、「ああ、これから映画をみるんですね」というようなことを返してくれたと思う。ちょっとこの辺りはもう嬉しくて記憶が曖昧。そして、2ショットも撮ってもらうことができた。これはもう、本当に本当に、本当に宝物!

 

それから舞台挨拶、試写会があった。席にはポップコーンやペンライトが用意されていて、全力のジャパンプレミアのサービス精神にも本当に驚いた。こんなに丁寧な映画イベントはあまり参加したことがない。素直に、映画自体への興味も強くなった。

 

しかし、長丁場のイベント。これから二時間半の上映です、と言われて終了時間を確認すると23時半頃だった。これはトイレに行こう、と一度部屋を抜けてトイレに行き、戻ると映画が始まっていた。高揚感と疲れ、空腹で、なかなか映画のストーリーが頭に入ってこない。ペ・ドゥナに、これから映画をみます、と話したから絶対に観たかったのだけど、最近の疲れを考えるとちょっと限界がきそうだったし、たぶん頭にも入ってこないだろうと判断して途中退席することを決意。Netflixで22日から配信スタートされるそうなので、後でゆっくり観ようと考えながら。

 

こうして、家に帰って振り返っていてもまだ高揚感はおさまらない。本当に幸せな時間だった。それから、韓国語を勉強したいという気持ちが一気に強くなった。伝えたいことを、伝える言葉がわからないというのは非常にもどかしい。こうやって、こうした気持ちが人間と言語を繋いできたのだと感じ、ちょっと壮大な気持ちの深夜。ああ、幸せ。