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最近、起床時間が少しはやくなった。仕事に行くギリギリまで寝ているというのが基本だったのに、余裕のある時間に目が覚める。先週旅行に行って、毎日早起きして規則正しい生活をしていたのが影響している気がする。

 

起きてから音楽を聴こうとApple Musicをみていて、ふとジャネット・ジャクソンのアルバムで指が止まった。そういえばあの曲、今日は見つけられるかなと上から順番に聴いていく。「あの曲」というのは中学生の頃、父が選曲してくれた音楽が入っているMDのなかで一番お気に入りだった曲。明るい雰囲気があって、その曲を聴きながら目を瞑って緑のなかを歩いたり、ぼーっとするのが好きだった。ジャネットの曲だということだけ覚えていて、曲名は忘れてMDも失くしてしまったので、たまに思い出す記憶のあるだけの音楽になっていた。何度か探したことはあるけど、とにかく膨大な曲の量なので、なんとなく見つけられなかったのだとおもう。

 

今日はさくさく聴いていって、ああジャネットは最初に言葉をつぶやいてから歌い出す曲が多いのだなとか自分なりに思ったりして、この調子だと見つからないかなぁと、無心で指を動かしていたら、急にわかった。あ、これかもって、知っているメロディが流れて、サビかな?と思う部分で確信。『Together Again』だった。

 

ああ、これこれって、なんて歌っているのだろうと調べていたらちょっと驚いてしまった。この曲はエイズで亡くなった友人に向けてジャネットが捧げた曲だった。だから歌詞が、今肉体が同じ場所にない人に向けてのようで。

 

There are times when I look above and beyond

There are times when I feel your love around me baby

I'll never forget my baby

When I feel that I don't belong

Draw my strength from the words when you said

Hey it's about you baby

Look deeper inside you baby

 

とても不思議だけれど、今日は父が語りかけてくれたのかもしれない。父が教えてくれた、だいすきだったあの曲。歌詞を調べたら、亡くなった父と急に繋がって、この曲との新しい関係、意味がうまれたと感じる。父は、亡くなって10年以上経った今でも、こうやって新しく語りかけてくれたり、教えてくれる。映画『アイアンマン』で、トニーが父ハワードについて、「死後20年経ってもまだ教えてくれるのか」とつぶやく場面があるのだけど、今日みたいな日にこの台詞を思い出す。

 

父とはもっとたくさんの話をしたかった、いろんなことを教えてもらいたかった、質問がしたかった。でも、その分、父は遺してくれたものでいつも語りかけてくれる。それは私が歳を重ね、やがて肉体を失うまできっと変わらないのだろうと思うと、寂しいばかりではないのだ、今日はそんなあたたかいところから始まった一日だった。