221109_wed_晴

 

朝まですこん、と眠ることができた。「まもなく金沢駅到着」というアナウンスで目が覚める。

まずはお風呂に行こうと決めていたので、朝7時からやっている金沢駅近辺のお風呂をバスに乗っている間に検索。歩いていくことができそうなのがアパホテルしかなく、タクシーを使うことを決めるる。

 

駅に着いたらお腹がすいたので、東口と西口をむずぶ通りにあったおにぎり屋で高菜おにぎりを買い、立ち食いする。塩気が効いていておいしかった。あとで聞くと、人気のおにぎり屋で、駅を使わなくても買いにくる人がいるらしい。

 

和おんの湯へ。早朝、ほとんどお客さんはいない。起きたばかりであまり体力がなく、サウナと露天風呂には入らなかった。一人一人の区切りがあるジェットバスにはいってスイッチを押すと、自分の入浴域だけではなくすべての区域がごぼごぼと鳴った。スイッチはそれぞれあるのに!と若干痛いごぼごぼがおさまるのを待っていて、よし止んだ、と思っていると新しく入ってきた人がまたスイッチを押したのでごぼごぼしてしまう。気にせず出ればいいのだけれど、ごぼごぼしているときの水圧と

たたかうことを少しためらってしまい、適度にあたってからお風呂を出た。化粧もする。

 

片町・竪町まで歩く。いまだに香林坊、近江町市場との違いを忘れて総称として呼んでしまう。

 

金沢での滞在中、あまりSNSは触らないだろうなと思っていたのだけれど、30分くらいかかるのでスペースを開いてみた。イヤホンで、少し小声で、実況中継をしながら歩いた。大きめの制服を着た中学生の通学時間とかぶっていて、通学の独特の空気を思い出す。朝の冷たい空気、これから一日がはじまることの憂鬱、遠くに歩いているクラスメイト。

 

行きたいと思っている本屋が11時にオープンするようで、それまでお茶をしたいな、とお店を探す。

頭が悪く、数冊の本と衣服、PCなどが入ったトートバッグを三つも持ちながら歩いていると段々疲れてきて、眠くなっていく。香林坊のデパートや洋服屋が並ぶ通りには新しいデザイナーズホテルができていて、一階のカフェが良さそうなので聞いてみると朝食のみとのこと。がーん。結局行きたいお店が多いせせらぎ通りに入り、カフェを探すがない。おいしいと噂のひらみぱんも、大行列ができていた。どうしよう、と長町武家屋敷跡を歩いてみる。何度も金沢にきているけど、歩くのは初めてかもしれない、と歴史を綴った看板などを読んでみるが頭に入ってこなかった。それにわたしが行きたかったのは、忍者寺だと気づく。昔、祖父母が営んでいた布団屋の裏手にある。

 

結局スタバに入り、それからt島さんが送ってくれたZINE『RINDO!!』でも紹介されていた、香林坊東急スクエアのヴィンテージマーケットへ。大島弓子の漫画を買ったりして、お昼まで時間を過ごす。そして、Tちゃんが片町キララの前まで迎えにきてくれて、ようやく安心する。午前中の時間の過ごし方を、もうすこし計画してくるべきだった、と反省。(結局、行きたかったオヨヨ書林はオープンが午後ということでタイミングがなく行くことはできなかった。)

 

蕎麦屋に連れていってもらい、おいしい蕎麦を食べる。金沢にはあまりお蕎麦屋がないということを教えてもらう。

 

Tちゃんの家へ。長男のHくんが21歳になっていた。昨日まで文化祭で、人生初めての金髪にしたという。似合っている。最後に会ったのは小学生の頃だったとおもうから、いきなり大人になっているかんじがして、私は振る舞い方がわからなくなり緊張してしまう。そして、新しい家族の文鳥・ルビーちゃんにも緊張。部屋を飛び回っていた。犬猫もそうだけれど、私は動物に対しても人見知りをする。動物の種類というよりは、自分のこと好いてくれるかの心配や、攻撃が気になる。TちゃんやHくんの肩に乗るルビーちゃんが一度こちらに向かって羽ばたいてきた瞬間があり、思わず声に出してびびってしまった。Hくんがそっと二階に連れて行ってくれた。

 

持ってきた『太陽諸島』を読んだりしながら、気付いたら18時頃まで爆睡。部屋が暗くなっていた。

夜は鉄板・お好みやき屋に連れていってもらう。焼いてあるものが出てくるスタイル。Tちゃんおすすめの牡蠣お好み焼きや、100円に驚いたポテトサラダ、とんぺい焼きなどたくさん食べる。どれもすごくすごくおいしい。ビールと一緒に噛み締めたり、喉にごくんと飲んでいく。しあわせ。

 

帰って、Hくんが自分で黒染めをしていた。10年前、一緒にアニメ映画を観たりしていたHくんが大人になっていることがやっぱり不思議で、金沢にきていなかった年月をおもった。Tちゃんが、車を降りる時にちょうちょをみたらしい。こんな時間にちょうを見ることはなく、父かもしれないねと笑う。父が亡くなった直後、Tちゃんの家にみんなでいるときに部屋のなかにこうもりや蛍が入ってきたことがある。

 

Hくんが、いま履いているのは父のジーンズだと教えてくれる。わたしは、父に似ている、10年前とも変わらないと二人に言ってもらって、とてもうれしかった。

 

夜はTちゃんのスキンケアを教えてもらって、一緒に洗顔とパック。父が繋いでくれた、いまもある交流に感謝のきもちでいっぱいになりながら就寝。